artKYOTO 2020~History in Action Festival~
先人たちが守り育んできた文化芸術の歴史を現代の知恵として刻むべく、美術市(アートフェア)に加えて、舞踊劇や美術史体験ツアーなどの複数の文化芸術プログラムを重要文化財である京都国立博物館と世界遺産・二条城の2会場で開催いたします。
千年を超えて歴史と文化が息づくまち・京都において、本イベントを通じ、文化芸術と経済の好循環を生み出すことはもとより、文化芸術が人々の心に潤いを与えることを目指し、ウィズコロナ時代の文化芸術の在り方を模索してまいります。
PROGRAM:美術市(アートフェア)
本イベントのメインプログラムである美術市(アートフェア)。今年は京都国立博物館にて開催します。歴史的建造物「京都国立博物館 明治古都館」で、アートの鑑賞から所有まで様々な体験を提供いたします。会場となる京都国立博物館の明治古都館は、近代洋風建築の重要文化財で明治28(1895)年10月竣工、明治30(1897)年5月に開館した、京都国立博物館のシンボルともいうべき煉瓦造りの建物です。artKYOTO 2020の美術市は、世界のアートフェアで主流となっている現代的なコンベンションホールや仮設空間とは異なり、通常非公開の歴史的建造物の空間を活かしたアートフェアとなります。それだけでなく、通常、展示物を鑑賞する場として機能してきた「博物館」にアート作品が出品され、購入できる機会はまたとない特別な場となるでしょう。各ブースで楽しむことが出来る作品の鑑賞や購入はもちろんのこと、博物館という場所性や、建築空間としても価値の高い重要文化財・明治古都館の非日常な空間だからこそ生み出される、ギャラリストとの出会いや新たなコミュニケーションの場を創出します。
京都国立博物館 明治古都館 外観及び内観(写真:京都国立博物館提供)
artKYOTO 2020の 美術市は、世界のアートフェアで主流となっている現代的なコンベンションホールや仮設空間とは異なり、通常非公開の歴史的建造物の空間を活かしたアートフェアとなります。中央奥のブースには、海外でも人気の四代田辺竹雲斎による竹のインスタレーションが広がり(夢工房)、幻想的な人物画を描く有元利夫(たけだ美術)、ファッションとの融合で新しい世界を提案する舘鼻則孝(KOSAKU KANECHIKA)、アイルランドと日本の文化から生まれたハイブリッドなキャラクターで不思議な世界観を描くATSUSHI KAGA(MAHO KUBOTA GALLERY) 、海外作家ではスターリング=ルビー(タカ・イシイギャラリー)やジュリアン=オピー(MAHO KUBOTA GALLERY)の作品が出展されます。
artKYOTOは古美術・近代美術・現代美術・工芸の幅広いジャンルで、見どころの多い展示となります。
Atsushi Kaga カガアツシ-Waiting 2020-90cm× 90cm、MAHO KUBOTA GALLERY
河内一平、短刀、宝満堂
Julian Opie "Boston Head 5" 2019 94.7×63.4 アルミニウムに塗装、MAHO KUBOTA GALLERY
バーチャルアートフェア「VR Art Scope」展開決定
VR Art Scopeは、展示会場を丸ごとスキャニングしたオンラインバーチャル空間のアートフェアをお楽しみいただくものです。入場制限を設けての開催となる中、ご来場がかなわない方や、一度来場したもののもう一度じっくり鑑賞したい方に広くご利用頂けます。
アート東京が9月に開催したアートフェア 「artTNZ produced by AFT with APCA」において初めて公開したオンライン施策で、artTNZでは公開から約2週間弱で12,000回を超える閲覧がありました。ご好評を受けて、artKYOTO 2020においても引き続き「VR Art Scope」を展開します。
ご来場前のリサーチツール、会期中のご来場者・非来場者・ギャラリー間のコミュニケーション創出のきっかけ、そしてご来場後のレビューや展示記録など、様々なシーンでの活用ができます。
PROGRAM:舞踊劇「乱舞〜二条城〜」
多くの史実が刻まれ続けた「二条城」。この二条御所、そして二条城の歴史を紐解く試みとして、二つの事柄にスポットを当てます。日本の歴史の表舞台である京都の中で息づいていた、文化、芸術、技、そして人と人との模様をもう一度感じ、今という”時”をもう一度見直す時間とし、舞踊劇「乱舞〜二条城〜」を開催しました。
永禄8年、二条御所で三好義継により戦国剣豪将軍としても名高い室町第13代将軍 足利義輝が最期を迎えました。また、寛永3年、徳川秀忠と、家光の招きにより、後水尾天皇と中宮和子の二条城への行幸が実現。この二つのエピソードを、現代大衆演劇の第一人者、早乙女太一が和楽器ユニット Rin’と披露いたします。
- 現代アーティスト×京都手描き友禅のオリジナル衣装で演舞。早乙女太一着用の衣装を12月5日から6日14時まで、京都国立博物館 茶室「堪庵(たんあん)」にて公開展示します。
- 本公演はイマーシブシアター(体験型公演)です。悠久の歴史を見守ってきた「二条城」を現実の舞台とし、観客は作品世界の一部として、演者に導かれながら、パフォーマンスを五感で「体感」いただきます。
- 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、多くのお客様をお招きできない為、12月5日から、公式サイトにて無料で一部配信しております。
早乙女太一氏
唐門(写真:京都市提供)
Rin’
PROGRAM:若手アーティスト支援事業
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、文化芸術領域の中でも、特に若手アーティストは作品制作や発表の場が失われています。「artKYOTO 2020」では作品発表の機会を創出することで、文化芸術を学ぶ若手アーティストを支援し、京都の文化芸術が未来へ継承・発展することを目指します。

テーマ「a linkage」
アートは、社会とつながり、時代とつながり、歴史とつながっています。世界は、ますますつながっていくのでしょうか、つながっていかないのでしょうか。あなたは、どんなつながりを持つのでしょうか。いま、ここで、あなたとアートをつなぐもの。
創立140周年の京都市立芸術大学とコラボレーションし平日および12月5、6日の9時から最終入場18時にて、作品展示を行います。
小嶋晶 修士課程絵画専攻(油画)修了
熊田悠夢 修士課程工芸専攻(漆工)修了
西久松友花 修士課程工芸専攻(陶磁器)修了
平田万葉 修士課程工芸専攻(陶磁器)修了
菊池和晃 修士課程絵画専攻(構想設計)修了
作:小嶋晶
作:熊田悠夢
作:菊池和晃©表恒匡
作:西久松友花
作:平田万葉
住所:600-8412 京都市下京区二帖半敷町647 オンリー烏丸ビル
URL:https://engawakyoto.com
事業内容:事業共創拠点(コワーキング、シェアオフィス、ビジネス支援の各種プログラム)個人、企業を対象とした会員制コワーキング、シェアオフィス機能をプラットフォームに、そこに集う個人、企業との縁をつなぎ、これからの日本の活力となる事業創造支援を行う施設です。
PROGRAM:美術史体験ツアー
「個」を重視する西洋近代アートに対し、「流派」で完成を目指す日本の集団制作美術は対極に位置するかに見えます。連動する二条城会場では、集団制作の元祖とも言える「狩野派」の作品を音声ガイドツアーでご案内。徹底した模写で弟子たちを鍛え上げた工房は、諸国の武将の求めに応じその権威を高揚する作品を描き上げました。京都国立博物館では、現代の日本を代表する「集団制作」の作品を鑑賞いただきます。

二条城篇

日本を代表する絵師集団「狩野派」を代表する天才絵師 狩野探幽が現代に蘇る設定のもと、二条城が誇る二の丸御殿の襖絵、壁画、装飾品をartKYOTO 2020の特別音声ガイドでご案内します。
二条城篇のみの当日券も販売予定です。
- 参加者ご自身のスマートフォンを用いての音声ガイドでお楽しみいただくセルフツアー形式になります。
- お持ちのイヤホンをご持参願います。
- 貸出音声ガイド機器もご用意しております。
二条城 展示収蔵館~二の丸御殿
音声ガイドでは狩野探幽の語りでより深く堪能していただけます。

「大広間」は将軍が大名や公家と対面する御殿で最も重要な場所で、狩野探幽が描いたとされています。「狩野派」に受け継がれてきた奥行きのある空間に松を描くのではなく、金地の背景と金雲をほぼ一体化させ、描くモチーフは少なくし、松を象徴的に示しています。それまでの「狩野派」にはなかった画風に探幽は挑戦したのです。

「白書院」はかつて「御座の間」とも呼ばれており、江戸から京都にやってきた将軍が宿泊する空間です。一の間は将軍の寝室でもあり、部屋に落ち着きをもたせるため「白書院」ではすべての部屋が水墨画で装飾されています。探幽の大叔父にあたる狩野長信が担当したとされています。

狩野探幽を演じるのは関西を代表するDJ 野村雅夫さん!野村さん演じる狩野探幽の語りでより深くツアーをお楽しみいただけます!
野村 雅夫(のむら・まさお)
1978年11月27日生まれ。イタリア・トリノ出身。京都在住の京都を愛するDJ。2009年に関西を代表するラジオ・FM802でDJデビュー。現在はFM COCOROにて「CIAO 765」を担当し、朝の顔として活躍中
京都国立博物館篇

東洋の島国、日本で狩野派を源流に独自の発展を遂げた集団制作美術。その流儀を受け継ぎつつも独自の世界観を構築した現代のアーティスト集団たちの作品を巡ります。
明治に勃興した民芸運動の影響を受けつつ、異なる作風に挑戦し続けるのは、田辺竹雲斎が率いる美術集団。そしてジャンル横断的な作風で現代人の感性を刺激するのは名和晃平が設立したクリエイティブ・プラットホーム「SANDWICH」。これら二つの現代の集団制作と封建時代に花開いた集団制作との対比を通じ、芸術における集団と個人の関係、そして日本社会における美術の役割の変遷の思いを巡らせるツアーです。
京都国立博物館 明治古都館 内

本事業は令和2年度文化資源活用事業費補助金(Living History 促進事業)の補助を受けて実施しています。